栃木の国保 Vol.70 2020.3/ SPRING

塩分摂取量の削減を目指して 足利市の保健事業については、健康 福祉部健康増進課保健検診担当の永濱 管理栄養士、板垣管理栄養士にうかが いました。市民のみなさんへの健康づ くり事業についてうかがうと永濱管理 栄養士は、「足利は、塩分摂取量が 多いということが国民健康栄養調査の 結果からも分かっています。これを受 けて、おりひめ検診(特定健診とがん 検診の複合検診)を受けた国保加入者 を対象に『推定 日塩分摂取量・排 泄量』の測定を行っており、今年度は 1431 人に実施しました。また、お りひめ検診における結果説明の待ち時 間を利用して、栄養士による塩分過剰 摂取に関する説明・教育も実施してい ます」と話します。市民の塩分摂取量 の削減に向けて前向きに事業に取り組 む熱意がうかがえました 自主グループの活動を支援 その他の健康づくり支援の取り組み についてうかがうと、「市民の方が高脂 血症予防の『翔けるの会』や糖尿病予 防のための『 健康ライフ』という自 主グループで活動しています。平成 年から活動を開始し、毎年自主グルー プ内でテーマを決めて活動しており、 市では料理教室や医師の講話などの活 動を行う際の支援を行っています」と 続けます。 直営で実施する保健指導は丁 寧な指導が強み 続けて保健指導に関する取り組みにつ いてうかがうと板垣管理栄養士は、「足 利市は直営で特定保健指導を行っており、 スタッフも充実しています。直営で実施 することは大変ではありますが、細かく 丁寧な指導ができることが強みだと思い ます。また、平成 年からは、特定保健 指導に内臓脂肪測定器を導入しています。 数値の変化が目に見える形で分かりやす いため非常に好評です」と話す一方、 「健 康づくりは一方通行ではできません。ど のようにPRして関心を持ってもらい指 導につなげていくか考えていく必要があ ります」と話します。 足利市では、さらに特定保健指導の該 当者を対象に、医師による講話や歯周病 など口腔に関する歯科医師の講話を実施 しているとのことで更なる実施率向上 が期待されます。 課題は若年層の健診・保健指 導の実施率 今後の についてうかがうと、「特 定健診・特定保健指導の実施率が県の 平均より低く、特に ~ 代男性の受 診が少ないことが課題です。 歳にな る前から自身の健康に関心を持つこと で受診に繋がるよう『国保 代健診』 を実施しており、 歳、 歳と節目の 年に案内を送付しています。来年度は 歳になる直前にも勧奨を行うことで 更なる意識付けができればと考えてい ます。また、若い世代へ効果的に受診 勧奨するため、ツイッターやフェイス ブックなどSNSを活用した広報も検 討していま」と将来を見通し先進 的な取り組みからは、市民の健康増進 への想いがうかがえました。 課題や問題点改善に向けて前向きに 取り組む足利市。市民健やかで幸せ に暮らせるまちを目指し、日々事業に 取り組んでい様子を材することが できました。 1 01 13 29 40 50 40 30 30 35 40 健康増進課 永濱管理栄養士 健康増進課 板垣管理栄養士 塩分チェックシート ◎足利市の概況 平成28年度 平成29年度 平成30年度 総人口(人) 150,888 149,720 148,145 総世帯数(世帯) 66,063 66,458 66,633 国保被保険者 加入世帯数(世帯) 24,690 23,788 22,771 被保険者数(人) 40,544 38,270 36,063 被保険者加入率(%) 26.9 25.6 24.3 保険料(税) 収納状況(現年分) 一人当たり調定額(円) 92,084 92,409 90,236 収納率(%) 89.5 90.3 90.7 一人当たりの療養諸費費用額(円) 321,821 329,576 330,422 特定健診・特定 保健指導の状況 特定健診受診率(%) 35.5 35.9 35.7 特定保健指導実施率(%) 22.4 22.2 22.6 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 13

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