栃木の国保 Vol.70 2020.3/ SPRING

令和 年度栃木県国民健康保険 団体連合会事業計画 基本方針 国民健康保険は、我が国の医療保険制 度の中核的な役割を担い、地域住民の医 療の確保と健康の保持増進に大きく貢献 している。 しかしながら、医療保険制度をめぐる 情勢は、急速な人口の高齢化、医療技術 の高度化等により医療費は増高し加え て経済基調の変化に伴い、医療費の伸び と経済成長との不均衡が拡大するなど医 療保険財政、とりわけ国保財政はその構 造的要因により他制度に比較して大変深 刻な状況に陥っている。 こうした状況を踏まえ国においては、 国民健康保険を将来にわたり有効に機能 させるため、都道府県が財政運営の責任 主体となり、財政基盤の安定化を図るた め、平成 年度より新たな国保制度が実 施されているが、持続可能な医療保険制 度を目指し、経済財政運営と改革の基本 方針(骨太方針 2019 )において、医 療費水準の平準化や保険料算定方法の統 一化、赤字の解消など、受益と負担の見 える化に向けた様々な課題に取り組んで いくことが示されたところである。 また、オンライン資格確認システムの 導入や高齢者の保健事業と介護予防を一 体的に実施する仕組みの導入等、 項目 を柱とした「医療保険制度適正かつ効 率的な運営を図るための健康保険法等の 一部改正法」が令和元年 月に成立し、 令和 年 月から導入されるオンライン 資格確認については、本会においても国 からの指示に基づくデータ連携等の運用 作業や関連システムの改修など準備を進 めていく必要がある。 さらに、高齢者の保健事業と介護予防 の一体的な実施については、高齢者に対 する保健事業を市町が介護保険の地域支 援事業等と一体的に実施することができ るよう、データ分析手法の研修や支援の 実施のほか市町における実施状況の分 析・評価を行うことが、国保連合会に位 置づけられたところである。 本会としては、このような状況に柔軟に 対応するとともに、個人情報をはじめとす る重要な情報を取り扱う立場から、引き続 き、情報セキュリティの取り組み強化に努 め、将来にわたり保険者の共同目的達成機 関としての役割と使命を果たすことを念頭 に、国民健康保険及び後期高齢者医療並び に介護給付費、障害介護給付費等の審査支 払業務の充実・強化をはじめ、共同事業の 効率的推進、保健事業の支援強化など国民 健康保険事業の安定運営の確保に向けて組 織体制の整備を図りながら、保険者並びに 関係機関と連携を密にして、より一層の 適正な事業運営と更なる保険者へのサービ スの向上に努めるものとする。 このため、令和 年度の事業計画は、保 険者に満足してもらえる国保連合会を目指 していくために、次のとおり重点目標及び その取り組み方針を定め、その企画・運営・ 実施に当たっては、常に保険者の満足度を 高める工夫、価値ある情報の提供などに留 意しながら保険者の期待に沿った成果をあ げ、負託に応えるものとする。 重点目標 ⑴ 国民健康保険事業の安定的運営 保険者の意を体し、安定した国民健康 保険事業運営に向けた事業・運動の展開 ⑵ 成果を上げる国民健康保険・後 期高齢者医療診療報酬審査支払 事業等の展開 審査基準の統一化に向けた推進及び効 率的なレセプト審査体制の強化・審査精 度の向上及び審査支払業務・事務代行業 務の効率的推進 ⑶ 共同事業の効率的推進 保険者事務共同電算処理事業等の拡充 及び各種共同事業の効率的推進 ⑷ 実効性のある保健事業の支援強 化と特定健診等データ管理業務 の適正執行 総合的保健事業支援の充実、医療デー タの情報提供及び関係団体との連携強化 及び特定健診等総合的保健事業支援の充 実、医療データ管理業務の適正執行 ⑸ 介護保険・障害者総合支援事業 関係業務の適正執行 介護給付適正化対策事業の積極的な推 進、介護給付費等審査支払業務及び障害 者総合支援給付費審査支払業務の適正執 行、介護サービスの質の向上 ⑹ 新規事業への対応 保険者のニーズに応える事業への弾力 的対応 ⑺ 成果を生み出す組織体制・事務 運営等の整備 総合的・効果的に事業を展開するため の組織体制の整備、職員の資質の向上、 2 1 30 7 5 3 3 2 2 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 4

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