栃木の国保 Vol.70 2020.9/ AUTUMN

(前号より) 4 管理監督者の心構え ① 滞納整理は福祉施策ではありません 差押をやりたがらない自治体の課長さ んになんで差押をしないのかをお聞きす ると「国保は福祉施策だからやりづらい」 という答えが返ってきます。延滞金を取 らない自治体の課長さんも同じことを言 います。滞納者からお金を取る仕事は福 祉施策ではないはずです。このような課 長さんは「福祉」を隠れ蓑に本来やらな ければいけない仕事から逃げているとし か思えません。 自治体が適正な債権回収を怠ること、 すなわち「不作為」が違法と判断される ことによって首長や管理職そして職員が 責任を取らされることを考えれば、「福 祉施策だから云々」と言っている場合で はないと思います。 皆さんの後ろには、約 %の納期内納 付をしてくださる、わゆるサイレント マジョリティーの方々がおられ、皆さん 国保制度を崩壊させないために② 特別寄稿 の背中を押してくださっているのではな いでしょうか。その方たちに思を馳せ れば「福祉施策だから…」などと言って はおられないのではないでしょうか。決 して一部の滞納者を放置することなく法 令に基づいて淡々と処理すればよいこと だと考えます。 ② 差押えが当たり前の自治体に 財産もなく支払いたくても支払えない 滞納者から無理やりとるような苛斂誅求 なことを求めてはいません。払えるのに 払わい人を許し けないといいた いのです。そういう人を許さないために は滞納整理の基本である財産調査をキチ ンと職員の皆さんにやってもらうことだ と思います。 そして、財産が見つかれば差押え、な ければ停止処分にる。この見極めを早 めにできる職員を育成し、差押えは通常 の仕事であることを伝え実行してもらう ことが管理監督者として大切なことだと 思います。 首長をはじめとする管理監督者の方々 には法令を順守し、差押えに対して腹を くくっていただき、滞納したら差押えら れるのが当たり前の自治体に一日も早く することが大切なことだと思います。 5 新しい領域に挑戦しよう ① 窓口公売 ヤフー株式会社のインターネット公 売(官公庁オークション)が今年度いっ ぱいで閉鎖されることになりました。こ のため簡易に公売ができなくなることで、 来年度からの動産等の公売について懸念 されているところが多いのではないで しょうか。 そこで、差押えてから公売までの時間 を短くすることができる窓口公売を簡単 にご紹介します。 まず出品物を決めます。次に入札期間、 公売の場所、売却決定の日時、買受代金 納付期限、最低見積価格を決めます。 公売開始日の 日前までには、公売公 告及び公売通知は済ませておきます。公 売物件の公売区分番号、出品自治体名、 物品の写真と詳細、見積価格を記した一 覧表を作成する。 また、「入札される方へ」と題し入札 の方法と注意事項、公売保証金の納付、 開札 、最高申込者の決定、追加入 札、買受代金の納付及び物品の引き渡し 方法等を記したチラシを作成します。公 売開始日より前にこの一覧表と公売を行 う旨のチラシ等を窓口に掲示をし、来庁 者に周知する。 ここまで行えば、公売開始日に入札箱 と入札書を置けば公売が開始できます。 その後 期間中は入札箱を空けずに、 入札時間に所定の位置に設置することに なります。 90 10 喜茂別町の窓口に置かれたタイヤロックのディスプレイ 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 12

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