栃木の国保 Vol.71 2021.1/ NEW YEAR

能性が低くなると 予想されるため、 受診勧奨の対象と して優先すべき はCさんからFさ んの4名となり ます。人工知能を活 用しない場合 は、個人ごとの過去 の受診履歴や 国保加入時期など から、勧奨効果 の高い不定期受診 者や加入年数の 浅い方を優先して 勧奨対象者を抽 出することで、効率 的に受診勧奨 を実施できます。 3.メッセージ開発 住民が受 診のため に必要と し、 行動に結びつける 情報は何か、行 政の視点ではなく、 インタビュー 調査等を通した市 民感覚の勧奨資 材を作成する必要 があります。住 民に対する インタビュ ー調査で は、自治体から配布 される各種検 診を知らせるチラ シについて「情 報が多く内容がわ かりづらい」と いう声も聞かれて います。受診行 動を起こす「きっか け」を与える ソーシャルマーケ ティングの活用 により、義務感の醸 成など健診受 診を自分事化させ るメッセージを グループごとに開 発することに加 え、受診申込までの具体的なステッ プや健診日程、検査 内容などをシ ンプルにわかりや すく視覚的に伝 えることで効果が 実証されていま す。前提として受診 申込までの流 れが複雑な場合(例 :方法が多岐 にわたる、自治体と 医療機関の両 方に申込が必要、 等)は、資材へ 掲載すべき方法の 取捨選択なども 検討が必要です。す ぐに取り組め る資材改善の工夫 としては、掲載 する情報を最低限 まで削減するこ と、情報に強弱をつ けることなど が挙げられ、市章などを活用し「自 治体からのお知ら せ」であること を明確に示すこと も、広告などと の差別化に有効です。 4.次号に向けて 今号では、受診率向 上のためのポ イントをお伝えしまし た。ぜひ、事 業実施の参考にしてい ただければと 思います。 次号では、国の 目標や方針に対 し て、多くの自治体が抱 えている課題 とその解決策や事例に ついてご紹介 します。 プロフィール 増 ます なが 永 貴 き わ 和 株式会社キャンサースキャン ソーシャルマーケティング事業本部 早稲田大学文化構想学部卒業。 大手予備校職員、貿易関係の業務改善コンサルタントを経て 現職。 キャンサースキャンにて栃木県内をはじめ、各地の健康づく り支援に取り組む。 名前 H26 H27 H28 H29 H30 受診確率 反応確率 Aさん ○ ○ ○ ○ ○ 93% +4.3% Bさん ○ × ○ ○ ○ 86% +7.1% Cさん × ○ ○ × ○ 73% +9.5% Dさん ○ ○ × × ○ 57% +10.9% Eさん ○ × × × ○ 55% +11.1% Fさん × × ○ ○ × 50% +10.8% Gさん ○ ○ × ○ × 41% +7.0% Hさん ○ × × ○ × 28% +5.2% I さん ○ × ○ × × 19% +4.8% 個別勧奨対象者リスト(例)▶ 受診を〇、未受診を×で表記。 更に、その他個別のデータも併せて 人工知能で算出した受診確率と反応 確率を各個人毎に表記した一覧。 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 17

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