栃木の国保 Vol.71 2021.1/ NEW YEAR

新年のごあいさつ 世界の冠たる国民皆保険制度を堅持しつつ 改善強化に向けて全力を尽くす 栃木県医師会 会 長 稲 野 秀 孝 28 16 28 13 30 92 85 % 90 65 46 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 4 新年明けましておめでとうございます。 新春を迎え、栃木県国保連合会会員の 皆様には日頃から本会の運 営に対しま して、ご協力とご支援いただいておりま すことに厚く御礼申し上げます。 昨年を振り返りますと、とりわけ感じ ますことは、新型コロナウイルスの感染 が中国湖北省の武漢で報告 されてから、 半年あまりで世界的大流行 ( パンデミッ ク ) を引き起こし、特に国内ではフ ェ イスシールドやガウン、マスクなどのP PE不足がおこりました。また楽しみに しておりました2020年東京五輪・パ ラリンピックが1年延期とな、果たし て本年夏の開催も不透明な まま中止の リスクが燻っています。 中央では、8月 日の安倍晋三総理の 辞任に伴い、7年余り官房長官として支 えてきた菅義偉氏が「安倍政権の継承と 前進」を訴えて9月 日菅義偉内閣が発 足しました。菅義偉総理は、新型コロナ ウイルスへの対応と経済再 生を最優先 にしつつ、行政縦割り、既得権益、あ しき前例主義の打破や携帯 料金引き下 げ、政府のデジタル化、地方銀行の再編 促進など掲げており、それらの具体的な 課題ごとに「一点突破」する戦略を描く としております。 ところで、国民健康保険を取り巻く状 況は、急速な人口の高齢化、低所得者の 増加、医療技術の高度化等、様々な要因 が重なり、国保財政は大変厳しい状況に あります。国民健康保険は、被用者保険 とともに国民皆保険の一翼 を担う地域 保険であり、 健康保険制度基盤を なす柱であります。本会は師と家族・ 従業員等からなる医師国民 健康保険組 合を運営しておりますが、 平成 年度 から被保険者の所得水準の 高い国保組 合の国庫補助が段階的に削減され、今年 度は5段階目の最終年度と なり補助率 が %になります。毎年国庫補 助金が 3・8%減り、被保険者が減少傾向する 中、さらに組合員の高齢化が進んでいく という状況は、全国の国保組合が抱えて いる課題であります。 ご存じのように国民健康保険は、被用 者保険と比べて高年齢者 が多く加入 し医療費が増加する一方、保険料負担能 力が弱い方々の加入割合が 高いという 構造的な問題を抱えており、特に保険料 の滞納者が増加し、厳しい財政運営を迫 られております。厚生労働省が公表した 平成 (2018)年度国保収納率によ ると、全国平均 ・ でありますが、 本県は ・ %にとどまり、6年連続で、 「全国ワースト2」 位となっており ます。 皆様方には、このような厳しい状況の なか、国保の健全な運営を図るため、日 夜ご精進・ご努力をいただいております ことに、心から敬意を表します。 わが国の社会保障を取り 巻く環境は、 少子高齢化と人口減少、財 政事情に加 え、働き方改革をはじめさらに新型コ ロナウイルス感染症という 未曽有の驚 異を前に、かつてなく厳しい情勢にあり ます。 最後の砦であります国民健康保険のこ うした諸課題の解決に向けて、座して待 つのではなく、関係団体の 皆様と十分 に連携を図りがら、世界 の冠たる国 民皆保険制度を堅持しつつ 改善強化に 向けて全力を尽くすことを 心からお誓 いして、新年のご挨拶といたします。

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