栃木の国保 Vol.71 2021.3/ SPRING

率向上に寄与するだけ でなく、連続 受診者の割合を向上さ せるという側 面でも重要であること がわかります。 また、キャンサース キャンで勧奨 に適したタイミングに ついて分析し たところ、その対象者 が前年度に受 診し時期(月・季節 )に合わせた タイミングでの受診勧 奨に最も効果 があることがわかってきました。 ハガキ等による受診 勧奨を毎月実 施することは、準備に かかるマンパ ワーや費用面で導入に はハードルが 高いケスも多いかも しれませんが、 受診定着化に向けて可 能な限り、適 切なタイミングでの受 診勧奨が大切 であると考えております。 .おわりに マーケティ ングもテク ノロジー も、日々進化が続いて います。近年 注目されている行動経 済手法である 「ナッジ理論」 も、行政事業との 相 性が良く、受診勧奨事 業においても 活用が始まっています。 また、コロナ禍でデ ジタル化が加 速しています、ショ ートメッセー ジサービス( SMS)や LINE、 Eメールなどを受診勧 奨に取り入れ、 ネット予約の利用率を 向上させる動 きもあります。これま での定石にと らわれず、新しい手法 での事業実施 についても、ぜひ参考 にしていただ ければと思います。 キャンサースキャン でも、全国の 自治体で課題解決に役 立てていただ けるよう、ナッジ理論 を活用した受 診勧奨資材の開発や、 デジタル媒体 を活用した最適なタイ ミングでの勧 奨への取り組み等、新 たな知見とこ れまでの実績を 合 わせ開発を 重ねていきます。 3 プロフィール 増 ます なが 永 貴 き わ 和 株式会社キャンサースキャン ソーシャルマーケティング事業本部 早稲田大学文化構想学部卒業。 大手予備校職員、貿易関係の業務改善コンサルタントを経て 現職。 キャンサースキャンにて栃木県内をはじめ、各地の健康づく り支援に取り組む。 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 55.0% 60.0% 65.0% 70.0% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 全体受診率 (2019年度) 連続受診者割合(2019年度) 受診率と対象者の受診履歴割合を示したグラフ(図1) 連続受診者割合(2019年度) 線形(連続受診者割合) 相関係数0.88 ◀ 3年以上連続受診者の割合が大きいほど、受診率が高 いという相関がみられる。 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 13

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