栃木の国保 Vol.72 2022.1/ NEW YEAR

巻 頭 言 市貝町長 入野 正明 10 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 1 私たちが、新型のコロナウイルスの 日本国内への侵入を知ったのは202 0年の年が明けてでしたから、この正 月でちょうど2年目を迎えることにな りました。ワクチンが開発されていな い中での新型のウイルスとの闘いが始 まり、住民の命を預かる市町村の長に は眠れない夜が続き ました。現在は、 医療従事者の命をかけ た努力の甲斐 あって、新型コロナウイルスとの共存 が図られつつあり、関係者の皆さんに 衷心より感謝申し上げます。 私は図らずも 年もの長きにわたり 町政を預からせていただき、就任直後 に東日本大震災、そし令和元年東日 本台風を経験するなど、行政の舵取に は幅がでてきたところでしたが今回 は目に見えないパンデミックに直面し、 有効な武器もないままゲリラ戦を展開 する日々となりました。ワクチンが届 くようになってからは、女性の担当課 長を中心に保健師がスクラムを組み町 医師会並びに郡市医師会と一丸となっ て、接種に全力を上げて くれました。 結果、一時期県内1位の接種率に達す ることができ、職員及び専門家の皆さ んに厚く御礼申し上げます。 振り返ると、高齢者に次い で基礎疾患のある方の接種を急い だ現場の判断が、功を奏することにつ ながったものと思います。今のとろ、 日本国が感染を比較的低抑えられて いますが、これは、一つには島国であ ることから人の流れが抑制されている こと、二つ目は国民健康保険制度の下、 最後の一人まで実際に国民の命健康 がしっかり守られているとともに、医 療機関が身近に感じられているめだ と推察します。 この「皆」公的医療保険体制の最後 の安全ネットに位置づけられた国保シ ステムは、社会の変化や危機を映し出 す鏡であるとも言われます。今回のコ ロナ禍の中で最も大きな影響を受た 階層は、非正規で働く雇 用労働者でした。 このたび法改正が行われ、短時間労 働者に対して健康保険および厚生年金 保険が適用となり喜ばしいこではあ りますが、国保の加入者は無職や自 営業者、被用であっても低所得者が 多いのが実情であります。 このため、国保は社会保険とは言わ れますが、受益者負担論ではひと括り にできない構造的問題を孕んでいるの です。保険原理に加え、もう一方の一 翼である「社会原理」についても強調 される必要があります。現下のコロナ 禍にあって国保は単なる助け合いなの ではなく、社会保障あるということ を改めて指摘したいと思い 。 かくして、全国町村会並びに全国 長会の意見書の通り、国の責任を明ら かにし、さらなる公費投入を求めるも のであります。 年頭から厳しい主張となりましたが、 世界一医療保険である国保を堅持す ることによって、国民誰ひとり取り残 さずに幸せなれることを祈ります。 世界一の医療保険である 国保を堅持する

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