栃木の国保 Vol.72 2022.6/ SUMMER

プロフィール 田 たなか 中 友 ともかず 和 ピノキオ薬局代表取締役 神戸薬科大学卒。一般社団法人栃木県薬剤師会副会長。株式会社ファー マサポート 代表取締役。合同会社アベイユ 代表社員。一般社団法人地域 薬剤師スキルアップ研究会 代表理事。薬の専門家として、多くの人の健 康な生活を守ることを通して地域社会に貢献している。 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 22 在宅訪問を行う薬局も少しず つ増え始め、患者宅へ行くこ とにより、薬剤師自身の眼で 直接余っているを見る機会 が増え、残薬に関する意識も 大きく変わってきた時期でし た。その後、新型コロナウイ ルス感染症による減少もあり ましたが、今日まで、 重複投薬・ 相互作用防止加算算定件数 は大きく増えました。 重複・多剤服薬者等への保健 指導の手引書作成によって 重複・多剤服薬者に対する 保健指導を保険者が適切に実 施できるよう にするため、 県が令和元年度において、保 険者における保健指導のあり 方や関係機関との連携方法等 について検討を行い、令和2 年3月に「重複・多剤服薬者 等への保健指導の手引書」が 完成しました。当時、薬局では、 上記の通り、定期的に来局す る患者の残薬調整を多く行い、 それ以外の飲んでいなくても 飲んでいると言っているよう な患者へのアプローチはほと んどできない状況でした。 手引きを使用して、各市町 の保健師が動きだすと、薬局 ではわからなかった複数お 薬手帳所持や併用薬、残薬の 可能性などが見えてきました。 アプローチきていなかった 患者群に対して動くきっかけ をいただけたのだと思います。 保健師と一緒 に薬剤師が訪 問することにより、その場で 意見を交わせるめ、相乗効 果も出てきている思います。 一方、一人薬剤師の薬局など では、まだまだ薬局から出る こと自体難しい場合がありま す。この環境も徐々に変わり つつあります。それは、令和 4年の調剤報酬改定によって、 薬局でのオンライン服薬指導 の準備が進んできているとい うことです。ちょっとしたD X化の始まりですが、画面を 通してお話をできるというこ とは、保健指導の今後を変え る可能性を含んでいます。例 えば、どうしても薬剤師・保 健師の時間が合わない時、保 健師がタブレット端末などの ツールを所持すれば、訪問先 の患者宅からオンラインでつ なげることによって、訪問機 会が増えることが想定されま す。まだまだ道半ばな事業で すが、薬局の薬剤師も前向き になってきておりますので是 非、気兼ねなくお声をかけて いただければと思いす。

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