栃木の国保 Vol.73 2023.1/NEW YEAR

国民皆保険制度の堅持に向けて 全力を尽くす 栃木県医師会 会長 稲 野 秀 孝 11 55 10 10 新年のごあいさつ 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 4 新年明けましておめでとうござ います。 新春を迎え、栃木県国保連合会 会員の皆様には日頃から本会の運 営に対しまして、ご協力とご支援 いただいておりますことに厚く御 礼申し上げます。 昨年を振り返りますと、新型コ ロナウイルス感染症は発生以来、 株を変化させては感染の波を幾度 となく繰り返し、昨年7月中旬以 降には、感染力の強いオミクロン 株BA.5を中心とする第7波が 押し寄せ、全国的に急激な感染爆 発が起こりました。本県において も、医療現場、とりわけ病院では 入院患者のみならず医療従事者に も感染が広がり、クラスター発生 等により、通常診を制限せざる を得ない状況に陥り、地域医療の 崩壊が危ぶまれたところでありま した。幸いにも、8月中旬以降、 感染者数は減少に転じておりまし たが、 月に入り再増加に転じて おり、まだ油断できない状況にあ るかと思います。 一方、本県での明るい出来事と して、昭和 年の栃の葉国体以来 となる国民体育大会(国体)が 「い ちご一会とちぎ国体」の名称で開 催されました。国体は 月1日に 開幕し、「夢を感動へ。感動を未 来へ。」 をスローガンに、県内 全 市町において熱戦が繰り広げられ ました。感染対策を万全にして実 施された素晴らしい大会であった と思います。また、 月末には障 害者スポーツ大会「いちご一と ちぎ大会」を無事終了いたまし た。 さて、医療を取り巻く環境は、 毎年変化を続けております。新型 コロナウイルス等の感染症の診療 において患者との接触を極力避け ることが可能となるオンライン診 療は、現場において利便性と必要 性から一定の効果が現れているも のと思います。昨年、突如として 決定したオンライン資格確認の原 則義務化や、紙の健康保険証を原 則廃止しマイナンバーカードに一 体化する等の政策については、I CT化やDX(デジタルトランス フォーメーション)が医療分野で も必要であることは同感しており ますが、医療現場保険者へ負 担もあり、また、国民の合意が十 分に得られていない現状では、や や拙速な展開であるとの感を否め ません。 団塊の世代が後期高齢者となる 2025年まであと2年す。疾 病の多様化による受診頻度の増加、 新型コロナのような突然の感染症 等の流行、超高額薬剤や高度医療 技術の開発などによる高額レセプ トでの保険者財政の圧迫など、年 を重ねるごとに課題はくなるば かりではありますが、本会といた しましては、関係団体の皆様と連 携を取りながら、国民皆保険制度 の堅持に向け全力を尽くこと をお誓い申上げ、新年の挨拶 とさせていただきます。

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