栃木の国保 Vol.73 2023.3/SPRING

化があります。 図1にあるように、今までは努 力義務だったため、漏えい等の発 生を伝える場合と伝えない場合が あったかと思います。この部分が 今後は必須になります。この中で 気になるのが「要配慮個人情報 漏えい等」です。保険薬局で言う と、領収書の渡し間違 いなどが、 報告義務に当たると言われていま す。医療の情報は、秘匿性も配慮 も必要な情報になるため、管理と してはとても厳しくなります。例 として、領収書を渡し間違え場 合で説明すると、Aさ んにBさ んの領収書を渡してしまったと仮 定しましょう。渡され たAさん は、Bさんという人がC病院に かかっていてD薬局で薬を貰って いるという情報を得ることになり ます。これが要配慮個人情報が漏 えいしたということです。忙しい と日常でも起こり得るものですが、 今後は今ま以上に注意しなく はいけません。た、患者も個人 情報についての意識がかまって くるため、その対応も必要にな ます。 保健指導等をする対 象者から 「なぜ知っているんだ?」という 質問やクレームが発生するかもし れません。薬局であれば、通院し ていることを知られたくない医療 機関 の薬剤などを「なぜ薬 局が 知っているんだ?」とるかもし れません。その為、オンライン資 格確認のシステムを簡単に説明で きるスキルも必要になってくると 思います。 薬局薬剤師の業務及び薬局の 機能に関する ワーキンググ ループの動きにつて 薬剤師の養成及び資質向上等に 関する検討会として、 令和4年 の2月から6月まで6回程度開催 されました。検討項目は、①対人 業務の充実、②薬局薬剤師のDX 化、③医療安全を前提とした対物 業務の効率化、④地域における薬 局サービスの提供等となっており ますが、会議の流れを見ていると、 調剤の一部外注、一部委託の部分 ばかりスポットライトが当てられ ています。一包化調剤をどこかに 外注し、出来たものを 薬局で渡 すイメージになります。そのほか、 コンビニで医薬品を夜間販売でき る等々、いろいろな意見が出てき ています。 今後この検討会でまとまったも のが令和6年の調剤報酬改定にど のように結び付いていくかは不明 ですが、今後街の薬局の環境が大 きく変わってくると思 利 便性のみを考え、画面越しでしか 会ったことのない遠くの薬剤師が 対応する患者も出てくると思いま す。例えば、保健指導などで対象 者の自宅に行っても、その他の医 療関係者がすべて他県の人で、パ ソコン画面越しに初めて会うい う事もあり得るため、よりコミュ ニケーション能力が求められると 思います。DXによって医療人の 対応も変化しますが、国保連合会 などのレセプトに関係する機関も 同じように広い範囲の対応をしな くてはいけなくなり 適正な受診に向けて 電子化によって、私たちの生活 はより便利になっていくと思いま す。いろいろな端末を使用するこ とにより、リモートで血圧などの 情報を得ることや、オンラインで 診察や服薬指導を行うことなどが 可能になります。日本全国の好き な薬局に処方箋を送り、お薬を貰 う世の中が近づいています。一方 残薬確認や服薬状況の把握などは、 より難しく、把握しくくなって そこに存在することになるでしょ う。 併用薬や重複投薬はデータ上で 防ぐことが可能になりますが、本 人が飲んでいるか飲んでいないか の確認、余った薬をどのように使 用しているかは、本人が正直に話 してくれるかどうかの意思次第 なります。 残薬の再利用か廃棄かの判断を 手伝ってあげることや、保管状況 を改善するために指導すことは、 薬剤師にとってよ重要性を増し てきます。 栃木県国民健康保険団体連合会「栃木の国保」 18

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